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現代版 絵本 御伽草子 「付喪神」

祖母はモノを「買い替える」ということを滅多にしませんでした。
戦前生まれの彼女が使うモノたちは、文机でもしゃもじでも鍋でも、
徹底的に使い込まれていて、傷の位置まで見慣れており
捨てたら罰が当たるんじゃないかという予感がして
あれらにはまさに付喪神がつきそうな類のモノでした。
会社員をしていた20代の頃の、今でもはっきり覚えている一場面があります。
ある日同期が昼休みに
会社の近所でかわいい靴下を見つけて買ってきました。
「今履いちゃおう」
とその場で履いたところまではOKだったんですけれども
もともと履いていた古い靴下の方を
「これはもういいや」
と目の前でゴミ箱にポイしたのに驚いたのは
私だけではなく、隣にいた子も同じ反応だったと思います。
飽きたからとそのままゴミ箱に入れられた靴下が妙に哀れでした。
今はユニクロや100円ショップなど激安店の登場で
さらにモノが安くなって
古くなったモノに愛着が湧きにくくなりました。
修理よりも買い替えの方が安いこともままありますし。
あの時、彼女の行為に感じた違和感は
まだ履ける靴下を捨ててしまうというよりも
モノへの感謝が足りないんじゃないかというぼんやりとした昭和的感覚だったのでしょう。
せめて持って帰って洗濯してからとか、袋に入れてからとか、
処分する前に何某かの感謝の儀式をしてくれていたら
こんな風に記憶に残らなかったと思います。
とは言え、この10年の私も
以前ほどモノに執着しなくなったし大事にもしなくなってしまいました。

前振りが長くなりました。
表紙の絵とタイトルに惹かれて「付喪神」を買いました。
「絵本」となっていますが文字の方が多いです。

古茶碗がゴミ捨て場に捨てられたことに気付いて
「え、マジすか。うわっ、やばっ」・・・って、
町田節が利いていて文体がぶっとんじゃってます。
大人が黙読するには微妙な乱れた口語体は子供なら喜びそうですが
何しろ漢字が難しい。
これ、このまま音つけてラジオでやったらいいんじゃないかな。
30年以上前、筒井康隆の「ジャズ大名」をラジオで聴いたことがあるのですが
音楽付きなだけあって、読むよりも楽しかったです。



時間があるときに、この石黒亜矢子さんの「護法童子」を刺繍にしてみたいな。

Date: 2016.01.25 Category: 本・雑誌・新聞記事  Comments (0) Trackbacks (0)
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Saori Takano

Author:Saori Takano
「ここに来て良かった!」と心から言っていただける治療室を目指しています。

鍼灸治療は相性も重要、
来院するかどうか迷っている方は
ざっと読んでいただいて相性の参考にしてくださいね。

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