聖者

柳原和子「がん患者学 長期生存をとげた患者に学ぶ」
という本を母が見つけてきた。
分厚い。
がん患者や医師へのインタビューと著者自身の体験から構成されているのだが
下手な小説よりも読み応えがある。
すぐには読めそうにもないので飛ばし読みしていたら
ある「ヒーラー」氏の記述に目が止まった。
彼はアメリカで活躍しており、色々な人を治療し、
筆者のがんの病巣も医療機関の診断を受ける前に
「おかしい、なにかある」と言い当てたという。
そして「治してあげます」と言った、とも。
やっぱりそういう人って本当にいるんだよな、と
鳥肌の立つような気持ちで読み進めていたが、
半信半疑だったのか多忙もあってかその後筆者は特に
そのヒーラー氏と接点を持つことがなかったようだ。
そして何十ページか後に再びそのヒーラー氏が出てくるのだが、
久しぶりに著者にコンタクトしてきたそのヒーラー氏は
メディアに関係深い著者を通しての自分への宣伝活動と、
筆者が関わった医療訴訟で原告の人達が得たお金が目的だったようだという趣旨のことが書いてあった。
「お金の1割を受け取れ、と神様が告げている」と。
ああ、がっかり。ずいぶん即物的な神様もいたものだ。
まあ、聖者はヒーラーたり得るけれども、ヒーラーは必ずしも聖者にはなり得ないからね。
昔読んだ、「抱きしめる人アマチ」という本を突然思い出した。
無償の愛には道具もお金も要らないが実践するのは本当に難しい。
でもアマチや慈済会の證厳法師のように、
実際にそれを世界で実行している人っているんだよなあ。
さて、私の日常といえば・・・
「今日は○○ちゃんの手をつないでとっても優しくお兄ちゃんぶりを発揮していました。
きっとお母さんがおばあちゃんの世話を優しく世話しているのを見ているからですね!」
と息子の保育園の連絡帳に書かれて
すっごく複雑な気分・・・
1分前のことを覚えていられない物忘れの激しい祖母に常時優しく接するなんて大変。
実際、あまりいい態度を取っていない私。
日々の修行は日常生活の中にアリ。
聖者は遠い存在ではあるけれど、その行為に一歩でも近づきたいと思う気持ちだけは忘れちゃいけないな、と思うのでした。








Date: 2008.02.15 Category: 2009年以前のブログ  Comments (0) Trackbacks (0)
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「ここに来て良かった!」と心から言っていただける治療室を目指しています。

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